バニスターは、リボン食品株式会社の販売するブラウニーブランド「ファットウィッチベーカリー」のブランド価値に関するコンサルティングを行っています。ファットウィッチベーカリーはニューヨークのチェルシーマーケットで、その独特な世界観と濃厚な味わいで人気を博していました。2015年にリボン食品をパートナーとして、通販を主軸に日本展開がスタート。今回、京都・北山での実店舗のオープンに合わせて、あらためてブランド価値を定義することとなりました。
本プロジェクトにおいては次の3つをゴールとしました。 一過性のブームで終わらない価値の構築 ニューヨークからやってきた流行のブランドとして短期間の間に消費されてしまうのではなく、日本市場においてロングセラーブランドとなるべく明確な価値設定が必要でした。 競合・獲得すべき顧客増の設定 明確な顧客像や競合が設定されていなかったため、あらたに整理しなおす必要がありました。 ブランドブックとして共有化 アルバイトから社員まで、ファットウィッチベーカリーに関わる全ての人が、その価値を共有できる形にすることが必要でした。
価値定義は、ファットウィッチベーカリー創業までのストーリーを紐解きながら行われました。創業者の人生哲学“I care”や、日本進出にあたって日米のブランドオーナー同士で共有したビジョンに改めて光をあて、ブランドの根本的な価値として捉え直しました。また、京都の奥まった所に位置する場所にあえて選び出店することで何を達成したかったのか。オーナーへの直接のヒアリングを行い、明文化しました。
これらの内容を、専門的な用語をなるべく排した平易なブックとしてまとめ、アルバイトスタッフから社員まで、日頃ファットウィッチベーカリーに携わる中で心がけるべきことを共有可能なものにしました。
NY発祥のお店をどのようにして日本で「アメリカから来た非日常なお菓子」ではなく、なじみのあるお菓子として、日本人に長く寄り添っていけるかを常に考えていました。
元来のブランドの精神を引き継ぎつつも、日本らしさを組み込んでいくというコンセプトがこれまで漠然としており、スタッフの頭も混乱しがちになってしまっていました。そこでバニスターさんと何度もディスカッションをし、夫々何がひっかかっているのか、また彼らがどのようにファットウィッチというブランドを理解し、受け入れようとしているのかを引き出していただき、皆の考えが詰まったブランドブックができました。
そのブック作成の中で、各販路での目的・手法などが明確となり、ずいぶんと整理されました。改めて新旧のファットウィッチのスタッフの意識が統一されたことがこのプロジェクトをやってよかった点です。
リボン食品株式会社 代表取締役社長 筏由加子 様