一般に、戦略系コンサルや調査会社においては、量的なブランド調査・分析は⾏うものの具体的なデザインによる実現手段を持ちません。
また、プロダクションやエージェンシーにおいては、デザイナー・クリエイターによる主観的な勘や経験値に頼ったデザインが成果物とされがちです。
私たちのアプローチはそのいずれとも異なります。
「人の欲求を分析する」左脳的な機能=インサイト。
「人の心を動かす」右脳的な機能=クリエイティブ。
この2つを結びつけることで、真に効果的なブランディングを可能にしています。
バニスターは、戦略的分析機能とデザイン機能とを常に表裏⼀体にしながら、
ブランドにとっての「本質的な解決」を導くためのチームです。
時代は変わり、モノが簡単には売れなくなった。そう言われます。
しかしそれは、今までのマーケティング手法の限界の現れなのではないでしょうか 。
ある商品の購買を促すためには、単に、市場や競合製品を分析して、そのモノの優位性を押し出すだけでは不十分。量的な調査の中には、生身の人間のリアルな感情が抜け落ちています。
「買う買わない」の前には、好き嫌いがあり、喜怒哀楽があり、そのもっと奥には無数の複雑な感情がうごめいている。だからこそ、人の暮らしを深く見つめ、数字には現れない、人間らしい生の感情や欲求を探す。
消費者ではなく、人間を見つめること。その過程にこそ、人とブランドとが強い絆を結ぶためのヒントが隠されているはず。私たちはそう信じています。
「長く支持されるための有形無形の活動がブランディングである」。バニスターの定義はとてもシンプルです。
ロゴ、広告、WEBサイト、イベント、あるいは実際に手に取ったり味わったりする瞬間...それらあらゆる接点を通して人の頭の中で形成される体験や記憶の総体がブランドであり、それらを継続的に提供し続ける活動がブランディングです。だからこそ、そのブランドが持っている本質を正しく引き出し、ふさわしい形に具象化し、お客様の元へとお届けしなければなりません。
その際に大切なのが「意味性」と「創造性」です。
「意味性」とは、そのブランドが人や社会にどのような意義・役割をもたらすか。
そして「創造性」は、ブランドの意味を魅力的に表現し、形を与えるためのもの。
意味性なくしてブランドの確固たる芯は保たれず、創造性なくしてブランドの魅力は決して開花しません。バニスターはそれらのすべてに関与し、成果へと結びつけていくことを、自らの使命として捉えています。
私たちの考える「ブランドストーリー」は、世に言われるものと少し異なっています。
それはストーリー仕立ての広告キャンペーンのことでもなく、老舗ブランドが自らの歴史を単純に語って聞かせることでもありません。
私たちの考えるブランドストーリーは、人とブランドとの間に結ばれる、終わることのない絆。
ブランドが時代や社会や人々の意識の変化に応じて、常に価値や振る舞いを更新し、新しい関係を結びなおす。その結果として紡がれる、ブランドとそのファンである人との歴史においてのみ存在するクローズドでパーソナルで、唯一無二の物語。それがブランドストーリーです。
ですから、ブランドストーリーは一朝一夕にできあがるものでもなければ、ブランド側から一方的に与えることができるようなものでもありません。
その代わり、一度生まれたブランドストーリーには、人の原体験、そのブランドに対する記憶、様々なプライベートな愛着が含まれています。このことは、ブランドと人とを、情緒的に強く結びつけてくれます。いつの時代もすべての人に子ども時代の夏の情景を喚起させる「カルピスウォーター」や、その匂いとともにお母さんの記憶が蘇る「オロナインH軟膏」などは、強いブランドストーリーの一例です。
そしてそのような関係性を結ぶためには、人間への深い興味とその欲求への理解が不可欠です。ターゲット一人ひとりの内面を深く掘り下げるアプローチが必要です。人と心の底で共感しあったブランドには、感情が芽生え、体温が宿り、人の、嘘偽りのない心の底からの欲求を生み出し、やがて唯一無二のブランドストーリーが生まれるでしょう。
ブランドとは、さまざまな接点を通じて、人の頭の中に形成される有形無形の総和です。そうした記憶の数々は、商品を購入する時や使用する時、また広告やSNSなど、あらゆるブランド体験を通じて蓄積されていきます。心躍る知覚体験や、それに伴う記憶の蓄積によって、ブランドは人から信頼され、期待されるようになります。このような一貫した体験を作り出すためには、「ブランドがお客様に対して提供する価値」を言語化した提供価値を構築する必要があります。この提供価値がブランドの羅針盤として社員の意思を統一し、ブランドにふさわしい行動を促すことで、あらゆる接点でお客様にとって一貫したブランド体験を創造することを可能にします。
提供価値に基づいた行動を、ぶれることなく実践し続けることで、ブランド価値は向上します。単に提供価値を定めるだけではゴールは達成されません。まず、提供価値が社内で浸透し、ブランドの原動力として繰り返し活用される必要があります。そして、提供価値がステークホルダーにも伝達されることで、ブランド価値向上に寄与し、最終的に売上や利益として還元されていきます。提供価値がブランドに関するあらゆる意思決定の指針となることで、名称やロゴ、製品サービス、広告、EC等といったお客様との有形な接点だけでなく、カスタマーサービスの応対や営業手法、社員の立ち振る舞いといった無形の接点においても変革することができるのです。ブランドに関わるあらゆる行動が提供価値に基づき、一貫した活動が絶え間なく実践され続けることで、ブランド価値が向上していきます。この一貫したブランド活動がブランディング(Brand+ing)です。
ブランドを理論的・情緒的に様々な面から定義し、差別性と独自性を確立する上で不可欠な提供価値を言語化するためのプラットフォームです。バニスター・ブランドポディウム™は、ブランドとお客様の関係性や、目指す将来像、ビジョンや戦略を明らかにする助けになります。バニスター・ブランドポディウム™は、お客様の欲求や機能的便益、情緒的便益、独自性、ブランドパーソナリティー、提供価値など8つのコンポーネンツで構成されており、あたかもオーケストラの指揮台のように、ブランドの多様な要素すべてを統合しつつ方向付けて、最高のポテンシャルを引き出すのです。
女性がどんな飲み物を好むかということと、彼女の「理想の男性像」との間に、関係があるということをご存知でしょうか? これは人の志向性(=物事の好き嫌いや価値観)をデータ解析した結果から得られた、れっきとした事実。この一例が示すように、人間のマインドと消費行動との間には数値だけでは測れない、不思議な相関関係が見られます。 こうした「不思議」に目を向けることは、ブランドの価値を設定する際、とても大切な要素だとバニスターは考えています。一時的なコミュニケーションで「買わせる」のではなく、ブランドとの深い共感の上で手にとっていただきたいのです。なぜなら暮らしや生き方が多様化しているお客様との心の底からの結びつきを大切にしたいから。
近年、デジタル化が進み、企業内で数多くのデータを保有しているにもかかわらず、ブランド戦略に有効活用できていないという課題が存在します。確実にブランド戦略へと昇華させる調査とするために、独自の視点で調査企画や設計の段階から組み立てるバニスターの調査分析手法は、人とブランドとを結びつける絆づくりのためのヒントを与えます。生活者の日々の本音や何気ない購買行動の原因を理解すること。その役割を独自の手法で担うツールが「バニスター・スキャン™」や「バニスター・AIデザインインサイト™」です。
バニスターは、パーソナリティ測定や行動心理学等の知見を応用し「バニスター・スキャン™」を開発しました。これは、消費行動の傾向性を観測・分析し、人の将来的な購買行動を予測するもの。量的/質的データの掛け合わせはもちろん、顧客タイプを抽出するために、消費者心理や購買因子、購買影響因子等の多変量解析を徹底的に行います。特徴は、群ではなく、個の消費活動の総和によって人の志向性を導き出すこと。デザイン視点からも因子を作成し、現状把握はもちろん、将来の購買行動の変化予測を行うことができます。
各種事例:
- 食品及び調味料に関する消費者行動分析
- 清涼飲料に関する消費者行動分析
- 乳製品に関する消費者行動分析
- 女性衣料品に関する消費者行動分析
- 日本酒に関する消費者行動分析
- ミネラルウォーターに関する消費者行動分析
- 企業ブランドに関する定点ブランド意識調査
等の多数実績
ブランディングデザインとは、ブランド提供価値を起点に、すべての接点において一貫性をもってブランド価値を高めていくデザイン活動のことです。
デジタルの普及により、生活者の購入意思決定は来店前に7割方決まっているともいわれる時代に、理性だけのフィルターはほとんど通用しません。多額の予算を投入したマス広告も「私のブランド」という情緒的な結びつきを生んではくれません。人は、価格や機能、店頭で目立つということだけで、ブランドを選択するわけではありません。選ばれるブランドであり続けるには、人とブランドの情緒的な結びつきを醸成することが必要であると、バニスターは考えます。
そのために大切なのは、人とブランドとの接点づくりです。
かつては広告や店頭POPが接点の中心でした。ブランディングにおいてデザインが目指すべきことは、定めた提供価値を可視化させ、的確にターゲットに伝えることです。近年、店頭での接客、ECやウェブサイト、カスタマーサポートの対応など、社員一人ひとりのふるまいによる接点の重要度が増しています。そのためバニスターは社員の行動変容へとつながるように、社内啓発ツールを制作しています。その結果、生活者とブランドの強い結びつきを醸成することができることを知っているからです。
バニスターは、ロゴや商品パッケージだけではなく、提供価値を起点とした、ブランドが関わる接点のすべてをデザインします。さらに、ブランディングデザインを効果的に進めていくために、独自の手法で作られたブランドガイドラインやブランドブックなど、社内の指針となるブランドツールを作成し、中長期的に運用していくことを推進、支援しています。
昨今、中長期的なブランド戦略を立案しても、具体的に遂行し続ける中心的なブランド人財が育成しにくいという課題が多くあります。
BANNISTAR Human resource development™では、ブランド提供価値を設定した後、組織におけるブランド人財診断を実施し、社内人財を活用するためのブランド行動を啓発し実行する指針(モデル)を作成します。提供価値をより社内浸透させるために、社内インフルエンサーとなる社内ターゲット人財を定めます。
研修やツールを活用して重点的にブランド理解を深め、自ら具体的な実践方法や社内への浸透策を計画し、ブランド戦略の実行を進める中心的存在を担います。
最終的には、人事評価制度とも連動させ、モニタリング調査を定点で行い、社内浸透度を計測していきます。