バニスターは、コーチョーのペット用シーツのパッケージデザイン開発を行いました。コーチョーは、「やさしさをかたちに」という経営理念を掲げて、吸収体事業を中核に「時代のニーズに合った安全・安心の製品」を作り続けている企業です。特に、「人が使用するクオリティをそのままペットにも」という理念を持つペット用トイレタリー製品は、高い評価を獲得しています。
そうした製品の中で、脱臭効果のある炭を使用したペット用シーツ「ネオシーツDX」は、その機能性の高さで一定の評価は得ていました。しかし、さらに多くのお客様に認知してもらい、愛されるブランドを創りたいという思いを抱いて、バニスターにブランド戦略とパッケージデザインを依頼されました。
お客様がペット用シーツを使用している状況やニーズだけでなく、まず「ネオシーツDX」が選ばれている理由を把握する必要がありました。
実際に使っているお客様には「ネオシーツDX」の優位性が理解されているものの、機能理解が曖昧なため、「とにかく試して」という実感ベースの口コミに頼っている状態でしたので、新規ユーザー獲得のためには、言語的にも視覚的にも明確に機能理解を促すことが必要でした。
一方、既存ユーザーの多くは、特徴的なブラックとボストンテリアのビジュアルで商品を認識していることから、リニューアル後も彼らを離脱させない工夫が求められました。
また、ロゴとして商品パッケージの表に表示されていた、ペットの排泄周りに関するコンセプト「NEO LOO LIFE(ネオ・ルーライフ)」については、お客様の認知度が低く、それが果たす役割が曖昧であるという問題もありました。
「既得価値を最大限に活かしながら、機能理解を深める」
既存ユーザーを対象にしたデプス調査を実施したところ、「ネオシーツDX」はペットの足ぬれによるフローリングの汚れを防ぐ素早い吸収力と、使用後にゴミ箱に捨てるまで臭わない優れた消臭力が評価されていることがわかりました。
そこで、リニューアル品には「シャットアウト吸収」や「ストロング脱臭」といった機能コピーを追加しただけでなく、「ネオシーツDX」から「炭シート搭載ネオシーツ超吸収DX 」へ商品名を変えるなど店頭でも端的に分かる表現を加えました。
また、シーツの素早い吸収や脱臭という製品特徴のメカニズムを、パッケージ表面に図解表示することで、お客様の機能理解を強化しました。
さらに炭をイメージした黒地をベースに、大胆なクローズアップのボストンテリアビジュアルを採用することで、黒とボストンテリアでパッケージを認識している既存ユーザーの離脱を防ぎながら、店頭での圧倒的な視認性を獲得できました。
お客様の理解度が低かったネオ・ルーライフロゴについては、コーチョーロゴに差し替えることで、ブランド資産をコーポレートブランドロゴに集約させることにしました。
共通の知人のご紹介で、縁があって細谷代表にお会いをさせていただきました。
弊社は、創業以来、「やさしさをかたちに」を基本理念に、ものづくりに励んで参りました。その中で、「お客様に愛されるブランドを創っていきたい」という思いから、ブランディングのご相談をさせていただきました。細谷代表やチームの皆様とお話をしていく中で、物事の本質をとても大切にされている企業様・チームだと確信をし、ブランディングプロジェクトをご依頼させていただきました。「お客様に愛されるブランドとは何か」について、とても深く議論をさせていただきました。中でも、ネオ・ルーライフの中心的な商品であるネオシーツ、ネオ・オムツのお客様にご支持いただいている理由について、デプスインタビュー等を通じて解き明かし、パッケージデザインで差別性と適切性を見事に表現していただきました。大満足なプロジェクトとなりました。今後もバニスター様やお客様とともに、末永くご支持いただけるブランドを創っていきたいと思います。
株式会社コーチョー 専務取締役 渡邉邦彦 様