バニスターは、森永乳業株式会社の「KRAFTとろけるスライスハーフ」のブランド戦略立案とキービジュアル開発を行いました。
KRAFTは、世界で最もよく知られたチーズブランドの一つで、KRAFTスライスチーズやKRAFT100%パルメザンチーズは長年にわたって日本の生活者にも愛され続けています。
森永乳業は、コモディティ化が進むスライスチーズ市場で新しいチャレンジに取り組むべく、健康意識の高い50代以上の主婦をターゲットに、通常のスライスチーズと変わらない味わいながらも、チーズの主成分である乳脂肪の一部を植物性脂肪に置き換えることによってコレステロールを1/2に抑えた新しいスライス「KRAFTとろけるスライスハーフ」を発売することを決めました。
「KRAFTとろけるスライスハーフ」のブランド戦略を策定する上で、新商品のターゲットのインサイトをより深く探る必要がありました。新商品の企画段階から「健康意識の高い50代以上の主婦」をターゲットと想定していたものの、その価値観やライフスタイルは様々です。とりわけ健康意識の違いについては具体的に掘り下げていく必要がありました。一口に「健康意識が高い」といっても、年齢や持病の有無といった条件によって健康意識の質が異なります。詳細に定義することはできないまでも、その傾向から健康意識の高い主婦を分類した上で戦略を考えていく必要がありました。
バニスターは、ターゲットインサイトを獲得するために、日頃からスライスチーズを食べていて、健康にも配慮した生活を送っている主婦数名を対象にIHV(In-Home Visit:自宅訪問調査)を実施しました。それぞれの方たちが普段どのような環境で生活し、どのような商品を購入しているのか。実際のダイニングルームやキッチン、冷蔵庫の中などを見せて頂きながら、食や健康に対する意識をヒアリングしました。その調査結果から、健康意識の高い主婦を健康意識と健康状態から分類し、市場環境や他カテゴリーにおける健康食品の動向を鑑みた上で、「KRAFTとろけるスライスハーフ」のブランド戦略を策定しました。そして、その戦略をもとに新しいブランドの世界観を表現したキービジュアルを開発することによって、パッケージデザインから販促物のデザインに至るまで生活者起点でのデザインを実現することができました。