バニスターは、朝日酒造の「朝日山 純米吟醸」「朝日山 本醸造」「朝日山 純米にごり」「朝日山 純米大吟醸 越淡麗」のパッケージラベルデザイン、化粧箱デザイン、首かけ型POPデザイン・キャッチコピー開発を行いました。
朝日酒造は、天保元年(1830年)、現在の新潟県長岡市に「久保田屋」の屋号で創業した日本酒メーカーです。全国の日本酒愛飲家に愛されている銘酒「久保田」を生み出した日本を代表する酒蔵で、地元の米と水、そして先人から受け継がれた技で品質本位の酒造りを追求しています。代表ブランドである「久保田」のほかにも、契約栽培米を28%まで磨き、淡麗ながらも洗練されたふくらみを持つ純米大吟醸酒「洗心」や軽快な飲み口で柔らかな味わいの「越州」などは全国の日本酒ファンから愛されています。その企業名を冠した「朝日山」は新潟清酒の産地呼称に認定されている朝日酒造の基幹商品の一つで、辛口でキレがよく、すっきりした味わいが高い評価を受け、新潟県内においては「日本酒の定番」としてのポジションを確立しています。朝日酒造は、「朝日山」を全国の日本酒ファンに味わってもらうために、2016年より、味わいや香りを新たにした新・朝日山シリーズを上市することを決めました。
新しい朝日山を全国で本格展開するにあたり、新たなお客様を獲得し、次世代の新たな定番酒となるために解決すべき課題がありました。 全国的なブランド認知率の向上 新潟県内ではトップシェアを持つ朝日山ブランドも新潟県外では後発ブランドで、ほとんど認知度がありませんでした。朝日山には長年愛され続けてきた朝日山ロゴがありますが、このロゴが一般の生活者や流通関係者にとっても読みにくい字体であったことが、全国での認知向上の妨げになるのではないかという懸念がありました。 視認性の確保 競合過多の店頭で、いかに生活者の目にとまり納得して買い物かごに入れてもらえるかという点も大きな課題でした。酒販店や量販店の日本酒売り場には、全国各地の日本酒が数多く並んでいます。生活者に商品特徴を瞬時に的確に理解してもらう必要がありました。
バニスターは、朝日山のラベルデザイン開発に着手する前に、一定頻度で日本酒を飲む生活者を対象にした調査を実施し、新しい朝日山ラベルに継承すべき価値と改善できる価値を洗い出しました。また新しい朝日山のターゲットとなる生活者のライフスタイルや志向性を分析し、彼らの行動変容を起こすためのトリガーを仮説立てました。
これらをもとに、新しい朝日山の販路へのフィールドワーク結果に鑑みつつ、朝日山が持つ伝統感を担保した新しいラベルデザインを開発。その確かな味わいを、店頭における高い視認性で訴求する首掛け型POPとセールスコピーを開発しました。
ラベルデザインでは、朝日山の伝統と揺るぎのない姿勢を一本の線で表現し、それを山の稜線に見立てながら朝日を象徴的に取り入れたデザインを開発しました。
こうして生まれた新・朝日山シリーズは、2016年夏に上市した「朝日山 純米吟醸」と「朝日山 本醸造」を皮切りに、2017年秋には朝日山ブランド初のにごり酒「朝日山 純米にごり」を、そして2018年5月には朝日山シリーズの上位銘柄「朝日山 純米大吟醸 越淡麗」を発売しています。